【約5カ月】問題作『膿み堕とし』が完成するまでのおおまかな流れを紹介していくで。

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どうも、はぱをです。

 

聞いて欲しい。

 

ようやくどうにかこうにか、今まで書いていたシナリオを1つまとめ終わった。

(ここで拍手のSE)

しかし……文字数が約14万字で、完成までおよそ5カ月かかった。びびる。

まあ、ほとんど週1でしか書き進めていないので、実際にかかった日数は30日前後くらいかもしれないが。

この話は話し出すと長いので、少し脇に置いておこうと思う。

とにかく、シナリオを完成させてふと思ったのだ。

 

「シナリオ一本完成させるまでに何してたかとか気になる人いる?」

って。

 

正直な話。

私は、他の人がどんな感じでシナリオを作ってるのか気になってる。

ざっくりでもいいんだ。是非教えてくれ。

 

まあ、そういうわけで。

今回は拙作『膿み堕とし』が完成するまでのすごいざっくりとした流れを、月ごとに分けて紹介していこうと思う。

どうか、「自分もシナリオ公開したいで~」って人の参考になればいいのだけれど。

1月:アイデアをとにかく形に

1月:アイデアをとにかく形に

元々は仲良しフォロワーに回せるシナリオがなくなったから書き始めることになった本作。

本当は公開する予定はなかった。なんせ気持ち悪いシナリオだから。

ただ、公開してほしいという声が多かったため、公開することにした。

最初はほんの出来心だったはずだ。

これが地獄の始まりだった。

トレーラー作成&公開

まずはじめにやったことはトレーラー作成だ。

改めて日付を見たら、1/3に公開していた。

三箇日から何やってんだお前は。

トレーラーを作るにあたってまず、以下のことはざっくりではあるが、決めておいた。

  • シナリオテーマ
  • 表のHOと裏のHO
  • シナリオを通してやりたいこと
  • 起承転結の大まかなあらすじ

ここまでが一番楽しいというシナリオ製作者は少なくないだろう。

ただ、トレーラーはまだアイデアの段階、0→1が終わったところ。

本当にしんどいのはここから先、1→100の作業である。

私はシナリオ背景から書き始める

トレーラーでシナリオの方向性を決めたら、それを実現できる舞台を作っていく。

つまり、背景設定である。

ちなみに、このとき私は『CatMemoNote』を使って書き始めた。

シナリオ背景と同時進行で、秘匿HOやNPCの情報などのPL事前公開情報などを優先して詰めていく。

なんせ、テストプレイ日を先に決めてしまっていたので、とにかくPLに公開できる情報から完成させていく必要があったのだ。

 

それをdiscordで配って、PLの反応を見るのは面白かった。

なんせHOがそれぞれ2000字以上あるのだ。もう一種力作のSSと言っても過言ではない。

ここまでは万事順調だった。

 

ちなみに、暇つぶしに作ったHO診断が一瞬バズってトレンドに乗ったのにはちょっと引いた。

おまいら、こんなシナリオでわくわくすなあ。

災い転じて福となす

順調だったのはここまでだった。

なんとシナリオデータがクラッシュし、全滅したのだ。

PL公開情報は既にdiscordにあったため消えることはなかったし、NPCのステータスなどはExcelでまとめていたので無事だったのが幸いだ。

実質、消えてしまったのはシナリオ背景だけ。

ただ、それもかなり書き込んでいたため、モチベーションは駄々下がりだった。

 

それに加えて、もう一つ。

わかっていたことではあったが、ヤバHOだったためか、テストプレイ参加予定だったPLのひとりが辞退。

まあ正直、地雷原の上でタップダンスするシナリオだから仕方ないとは言え、テストプレイの日程が遠のいたため、やる気を失った私は一旦NPCイラストやココフォリアの装飾に逃げることにした。

 

それと同時に、やけくそになって、フリーハンドでマップまで書いちゃうもんね!というバカっぷり。(時間ないのに)

マップを書くために仕方なく、探索場所の洗い出しもした。

それでようやく、ちょっとずつやる気を取り戻し、探索箇所とそこに設置する情報まではこの時点で仕上げている。

 

しかし、悪いことばかりではなかった。

シナリオ背景のデータが飛んで、書き直さなければいけなくなったがために、新しいアイデアを加えられたし、本当は1月末に行う予定だったテストプレイが流れたことによって、少しだけ余裕を持ってイラストなどにも着手することができたのだから。

こうしてどうにかアイデアを形にしていったのだ。

だが、まだせいぜい1→30といったところだろうか。

2月:試行錯誤と調整

2月:試行錯誤と調整

2月はテストプレイが3つ入っていた。

そのため、やっていたことは基本的にテストプレイに向けての準備と、その後の修正作業だ。

たぶん、死ぬほどつまらなかったのだろう。

私のメモにはそう書いてある。

ようやく描写を書き始めたのはテストプレイの3日前

さて、正直背景さえできあがればシナリオの半分はできあがったと言ってもいい。

私はシナリオを公開しないのであれば、シナリオ背景だけあればそのシナリオを全然回してもいいと思ってるし、なんならそれで回している。

描写なんてそのときぱっと考えてぱっと喋りゃあいいのだから。

ただまあ、それはシナリオが頭の中にあるからの話だ。

公開するのであれば、自身の頭の中のそれを言葉にして伝える必要がある。

だから、とりあえず導入を書き出すことにした。

 

しかし、私は言葉遊びが好きだから、描写を一度書き出すと、色々と時間がかかって面倒なのだ。

どういうことか。

描写の一部をネタバレのない範囲で貼っておこうか。

……あなたは生きているからこそわかってしまったのだ。

自らの非命を、終わりを、死を理解する。

四肢が潰され、頭蓋を砕かれ、脳汁を啜られ、内臓が引きずり出され、死を蹂躙される。

それはただただ無慈悲に、残虐に、凄惨に。

抗う術もなく、痛感するのは自身の劣弱さ。

生まれてきてしまったことへの罪を今、贖うのである。私(し)を以て、死を以て。

むざむざ贄となり、骸となりぬるあなたの悲嘆など、生者には到底理解などできるはずもない。

だいたいこういうことだ。

非命(死ぬこと)と悲鳴を掛けていたり、自分の身体と言う意味で私と書き、死と掛けたり。

こういう言葉遊びが好きだ。

それらをこねくり回して徒に時間を浪費してしまうから、私は描写を書くのが嫌いであった。

修正とは何を修正するのか

2月は特に面白みもなく、淡々とテストプレイと修正を繰り返していく日々だった。

そして、それにまつわる修正の日々。

もしかしたら、修正とは一体何を修正するのだろうと思う人もいるかもしれない。

 

今回の場合は、PLにこれから歩いてもらうレールの方向修正が主だった。

私は、秘匿HOシナリオを書くとき、ある程度PLの受け取り方も計算にいれてシナリオを組んでいく。

そのためテストプレイのPLの反応を見つつ、自分が受け取ってほしいと思っているものをちゃんと受け取ってもらえるように、球種やフォームを調整していく必要があるのだ。

それらがずれていると、シナリオの真価を引き出せないからである。

 

ちなみにPLに気づかれないように誘導するのが、私は好きだ。

もちろん性格は悪い。当たり前である。

だが、私の経験上(これはPLとしての話だ)、そういった性格の悪い人間が作り上げるPLの気持ちをシナリオの都合のいいように誘導し、思考をも導くシナリオは十中八九面白い。

ただし、あくまで「PLが自らの意志で選んだかのように錯覚させることができている場合」に限る。

また、それが後からわかったとき憤慨するプライドの高い人間がPLでない場合に限るだろうが。

 

とにかく、私がPLとしてこのシナリオを遊ぶ際に、どう導かれたいか、どういう気持ちにさせられたいかをベースに、修正していく。

PLのときの私の思考と、テストプレイに来た他のPLの思考のすり合わせを行っていると言ったほうがいいのかもしれない。

私は翻弄されるのも騙されるのも、気づいたら他人の敷いたレールを歩かされているのも好きだ。

だから、シナリオに騙されてひどい目に遭って馬鹿にされたいし、ゲロを吐き散らして内臓をシェイクされるように命を蹂躙されたいなと思いながら書いたシナリオなので、きっとそういった思考が合うプライドのない家畜PLはきっとこのシナリオが向いている。

クライマックスの方向性が決定

私は基本的にシナリオのエンディングを作らない。

作らないままテストプレイを行うことが多い。

だから、私の場合は「シナリオを書く→テストプレイ」ではなく、「テストプレイ→シナリオを書く」というパターンのほうが主流なのだ。

2回のテストプレイを行って、クライマックスの方向性がガッツリ固まった。

ようやくエンディングにかけての描写などを書き出していく。

このシナリオ、クライマックスがかなりジェットコースターになっている。

もうイベントがパン詰まりである。

しかも、細かい分岐もままある。

超めんどかった。

シナリオを読んでもらえればわかると思う。めんどかったんだなって。

3月:倦怠期と変革期

3月:倦怠期と変革期

3月は倦怠期だった。

やる気がなさすぎる。

もうこんなクソみたいなシナリオを書くのはうんざりだった。

誰だよ、こんなこと始めた奴は。

……私か。私だな。

二度目のデータ破損

月の初めに二度目の『CatMemoNote』がクラッシュ。

全部のデータが飛んだわけではなかったのが、唯一の救いだった。

が、私はもうこいつとは二度と顔を突き合わせないと誓った。

 

そして、最愛の『Evernote』へ全データを移行した。

浮気してごめんな。

▷TRPGのシナリオ書くときにおすすめのテキストエディタはやっぱりこれ!!!+α

そして、大幅なHOの修正

先月、3回目のテストプレイを行った結果、HOの方向性を大幅に修正することにした。

 

私はパワーバランスの悪いHOシナリオが大嫌いである。

「他に比べてこのHOなんか軽いな」とか「このHOいる意味ある?」って思わせたら負けだと思ってシナリオを作っている。

たぶん、誰だってそんな風に思いたくてTRPGをやっているわけじゃない、はずだから。

モブになりたいのは推しカプの邪魔をしたくない腐女子くらいだ。

 

正直私は、後から「このHOは~~だから、HOが他より薄めなんです。ちゃんと理由があるんです」と熱弁されても、それは作者の都合であり、後付けの怠慢ではないか?と思ってしまう。

100%納得できない。

だから、せめて私が書くときはちゃんとパワーバランスを整えようと思っているのだ。

ただ、これをすることにより、シナリオ背景やNPCとの関わり、PCのとる行動なども変わってくるため、様々な微調整が必要だった。

かなり面倒ではあったが、今となってはやってよかったと思っている。

4月:病期、ついに清書へ

4月:病期、ついに清書へ

4月に入って、新しいHOでのテストプレイを開始。

テストプレイはこの月計3回行った。

かなり手ごたえを感じると同時に、いよいよ地獄を煮詰めたシナリオになってきたなと思い始める。

ゲロ吐きながらNPCキャラクターを詰める

月のはじめは、NPCの背景やキャラクター概要をまとめていたり、NPCごとのイベントの描写を書いたりしていた。

が、これが本当にゲロだった。

 

クソみたいなシナリオに似合うクソみたいなNPCがいっぱい出てくるシナリオなもんで、シナリオを書きながら体調を崩した。

人間が気持ち悪すぎて嫌気が差して筆を投げ捨ててベッドに一旦横たわっては、また執筆に取り掛かる日々。

ハッピーエンドなんてない。

あるのは鬱、虚無、胸糞のハッピーセットだけ。

シナリオを書いていて、こんなに闇堕ちしたのは初めてのことであった。

ようやくシナリオを形に

ようやくシナリオとして90くらいまでやってきた。

ので、Wordを起動、清書し始める。

これがだいたい4/23ごろだったと思う。

 

なんせ、クソ長シナリオであるということはわかっていた。

だから、見出し機能を頑張って使えるようにして、私なりになるべく読みやすくしたつもりである。

ただ、見た目にめっちゃこだわって作っているというわけではないので、あくまで「私なりに」だが。

 

なんとか4月内に、シナリオ背景編と、事前導入編をまとめ終わって、気づく。

これだけで4万字あると知って、あれ?これシナリオ本編大丈夫か?と不安になり始める。

5月:ラストスパートが長すぎる

5月:ラストスパートが長すぎる

あとはまとめるだけ。

のはずだった。

だが、あの日人類は思い出した。

はぱをは清書という作業が一番嫌いであるということをーーー

クソ長本編にキレながらも……

ついに、シナリオ本編をWordでまとめはじめた。

だが、Evernoteからコピペしていくだけなのに、なかなかそれが終わらない。

単純作業にすぐ飽きてしまうのは私の悪いところである。

誤字脱字、描写を見直しつつ、補足しつつ進めていくのも退屈で正直めっちゃやりたくなかった。

 

このとき、私の心の支えだったのは、NPCの立ち絵を好き神絵師フォロワーに外注していたことだけである。

NPCを書いてくれているからには、必ず完成させなければならないと強く誓った。

そんなこんなで、なんとか5/20、シナリオ本編含む全編を仮完成させた。

そして、22日、NPCの立ち絵が届いたときは小躍りした。喜んだ。

ラストスパートは細々と

5/27、細々と追記したり、修正をし、素材などもフォルダに入れる。

そのままの勢いでboothの商品ページを作成し、サンプルを公開した。

「このシナリオ出ないと思ってた!」というツイートを見かけ、「わかる、そりゃこんだけ時間が経てばな」と頷いていた。

反対に、このシナリオの公開を楽しみにしていてくれた人も多かったみたいだが、正直このシナリオがめっちゃ楽しい!!!になる人はどうかしてるぜ、と冷静になった私は思っているぞ。

 

さらに、31日現在。

前日前々日のテストプレイや、フォロワーが送ってくれた誤字脱字などの修正を踏まえ、最終調整をしている。

そう。

明日、6/1はいよいよ発売日である。

最後に

『膿み堕とし』ができるまでの間はおよそこんな感じだった。

約5カ月の執筆と、計9回のテストプレイによって完成されたのだ。

 

『膿み堕とし』は、けして楽しいシナリオではないが、面白いシナリオではあると思う。

“fun”ではないが、”interesting”だ。

人間の悍ましさや愚かさ、性的な気持ち悪い部分をたっぷりと味わうことができる。

そのおかげで私は次の日、毎回体調を崩しているし、PLもPCもみんな嫌い!!って言って寝込んでいるわけだが。

 

「こんなシナリオを販売するなんて」と叩かれてもしょうがないとは思うし、テストプレイで回した面々からも「マジで公開するのか???と心配されているくらいだ。

だから、「何でも許せる人だけ、読んでくれ。何でも許せる人だけ、遊んでくれ」と口酸っぱく言っている。

文句を言われたとしても、私は「じゃあ二度と、何でも許せるなんて嘘をつかないでくださいね」と言うことしかできないから、是非自分自身と正直に向き合ってから読んでほしい。

 

いや、まじで。

できれば、急にウ●コを投げつけられても、許せるくらいの寛容な人だけ読んでほしい。

 

それがお互いのためである。

 

クトゥルフ神話TRPG非公式シナリオ『膿み堕とし』は、6/1 21:00-販売を予定している。

それからちょうど一週間はシナリオ本文は800円だが、それ以降は1000円に値上げしちゃうので、とりあえず読みたいだけの人はこの期間中にダウンロードするのをお勧めする。

でも、できれば、超絶素敵NPC立ち絵も見て欲しい。

まだ今は封入されていないのだが、7月以降にNPCスチルも同封予定だ。

是非楽しみにしていてほしい。

▷『膿み堕とし』のサンプルを読む

 

というわけで、以上!!!!!!!!!!!!!

ほなね~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

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