どうも、はぱをです。
TRPGシナリオの書き方について、不定期連載でお話していきたいと思います。
今回はその第一弾です。
シナリオを書く際、まず何から書き始めるのか。
私の場合はずばり、シナリオ背景からです。
というわけで、今回はシナリオ背景についてのお話です。
目次
なぜシナリオ背景から書き始めるのか

シナリオ背景はシナリオの骨組み。
ここがしっかり組まれているかどうかで、シナリオの説得力が変わってきます。
どれだけ面白い要素やギミックを詰め込んだとしても、背景がしっかりしていないシナリオはどうしても薄っぺらくなってしまうのです。
突然ですが、基本的に物語は作者のご都合主義で成り立っています。
「こうしたほうが面白いだろうな」「こういう展開の話が書きたいんだよな」「この台詞が言わせたかった」「こういうキャラクターを動かしたかった」
ご都合主義大いに結構。
ただしそれが物語上に透けてしまうと、せっかく物語に浸っていたのに現実世界に引き戻されてしまい、一気に興ざめしてしまいます。
だから、まずシナリオ背景をしっかり作り込みましょう。
シナリオ背景は、作者のご都合主義を水面上に浮上させないための重りのようなものだと思ってください。
ギミックやシナリオの展開などは、しっかりと作者の都合を沈めた後から搭載していくのです。
偶然こうなったではなく、なるべく物語の全てに必然性を持たせましょう。
シナリオ背景を作り込むとはそういう作業です。
シナリオ背景として書いておくべきこと

とはいえ。
とはいえ、ですよ。
やりたいギミックや書きたいシチュエーション、登場させたいキャラクター、言いたい台詞があるからシナリオを書くのではないでしょうか。
たぶん「特にやりたいことも書きたいこともないけど、シナリオ書こう!」という方はほぼいらっしゃらないはずです。
そうですよね~、わかります。わかりますよ勿論。
なので、取り入れたい要素を取り入れるためにシナリオ背景を書くのです。
シナリオ背景には「どうして○○(取り入れたい要素)する必要があったのか」の「どうして」の部分の説明を書いていきましょう。
例えば、最近私が書いているシナリオなのですが、PCふたりが幽霊屋敷に閉じ込められて、めちゃめちゃビビらされるシナリオがあります。
やりたいことは「PCをビビらせたい」なので、あの手この手でホラー演出していきます。
ですが、この「PCをビビらせたい」はあくまで作者の都合であり、その物語の世界観の外にある理由です。
なので、シナリオ背景として、その世界観の内側に「どうして」PCが幽霊屋敷に閉じ込められてビビらせられなきゃいけないのか、その理由を仕込みましょう。
ネタバレになるので、その内容について詳しくは書きませんが、最低限考えておくべきは以下の通りです。
- どうして黒幕はその幽霊屋敷を用意したのか
- どうしてPCを幽霊屋敷の幽霊たちはビビらせにくるのか
- どうしてPCをビビらせるだけで殺さないのか
- どうしてPCがそこから脱出する方法が用意されているのか
- どうしてこの2人が幽霊屋敷に閉じ込められたのか
特にPCをどこかに閉じ込める場合、「どうして閉じ込められたのか」「どうして脱出手段が用意されているのか」は必ずシナリオ背景として記載しておくべきです。
なるべくPLの「結局どういうことだったの?」「どうしてこうなったの?」は潰すようにしましょう。
シナリオ背景を書いていくにあたっての注意

シナリオ背景を書いていくにあたって注意してほしいことはざっくり4つ。
個人的に、だいたいこれに気を付けておけばいいかな?というのをピックアップしました。
1.やりたいことの選定
基本的に1本のシナリオに詰め込みすぎはNG。
なので、必ずシナリオに詰め込みたい要素を選定し、更に優先順位をつけます。
そして、その優先順位に沿ってシナリオ背景を作っていきましょう。
最悪、背景の辻褄が合わないなと感じたら、優先順位が低い要素は切り捨てればいいのです。
先にあらすじなどを書いて、トレーラーとかを作っちゃうのも1つの手かなと思います。
これは結構強引な話なんですけど、トレーラーをTLとかに流しちゃうと変更不可ですから、そのトレーラーに合わせてシナリオをすり合わせていかなければならなくなります。
しかし、その結果、案外ブレのないシナリオに仕上がったりもします。
本当にすり合わせていくのが難しいなと感じた場合は、トレーラーを作り直せばいいわけですしね!
2.変更と追加
私の場合はざっくりシナリオのあらすじ、大まかな流れの部分の背景を設定してから、シナリオ本編を書いていきます。
しかし、シナリオ本編を書きながら説明が必要だと感じる部分が出てくれば、シナリオ背景のデータを編集して追加したり、行き詰ったらシナリオ背景に変更をかけたりします。
なので私のシナリオ背景は、基本的に注釈まとめみたいな役割も兼ねていると言えるでしょう。
はじめに全部の背景を完璧に詰めておく必要は全くありません。
あくまでシナリオ背景に一番初めに取り掛かるというだけで、背骨だけ通しておいて、胴体と頭を付けた後にまた手足の骨を組んでいくというのも大いにありなのですから。
ただ、短いシナリオの場合は、最初に背景を作り込んで、その後は全く背景には触らないという場合もありますけどね!
長いシナリオは諦めて追記を繰り返しましょう。
3.長くなる場合は整理する
長いシナリオでかつ複雑なシナリオは、割と背景も長く複雑になりがちです。
その場合は、シナリオ背景を整理しましょう。
シナリオ背景も本文みたいに章分けして数字を振ったり、目次をつけたり、時系列順に区切ったりして短い単位に整理します。
そのほうが、シナリオ編集中も検索しやすいですし、KPからPLに説明する際にも読みやすいですからね。
百利あって一害なしです。
私の場合は基本的に「1.ことのはじまり(事件の元凶について)」から時系列順にシナリオ背景を並べていくことが多いですかね。
4.PCを背景に組み込む場合
特にCoCの秘匿HO系シナリオで最近多いのですが、シナリオ背景にPCが組み込まれている場合、特に注意が必要です。
下手をすると「このPCはそんなことしない!」という事故に発展する場合があります。
とりわけ「記憶を失っていたが、実はこんなことしてました!」系は解釈違いを引き起こしやすいので、気を付けたほうがいいですね。
例として、私のCoCシナリオで『LDK』というシナリオがあります。
2PLのシナリオで、愛し合っている2人が1LDKの部屋に閉じ込められるという、かなりシンプルなお話です。
※※※※以下『LDK』のネタバレを含みます※※※※
ネタバレを読みたくない方は、目次から次の見出しまで飛んでください。
便宜上PC1とPC2と分けてここから呼ぶことにします。
実はPC1にはイゴーロナクが憑いていて、PC1はPC2を殺そうとするようになります。
しかし、基本的にイゴーロナクが憑りつくのは悪人ですよね?
ですが、シナリオの都合上、どれほどいい子のPCであったとしても憑りついてもらわなければ話になりません。
なので、その理由付けを行わなければいけませんでした。
それについては以下の通り。
一方、PC2は別の神格に殺されそうになっています。
何よりも大切なPC2の命を脅かそうとしているそれに対し、PC1は怒り、敵意、殺意などの感情を少なからず覚えることでしょう。
自分が手も足も出ない状況であれば尚更。
自分に対する怒りもあるのかもしれません。
何も感じないというのなら、そもそも初めの「愛し合っている」という定義から外れますから、考えないものとします。
とかくその結果、大切な人を守りたい一心から来るその強い敵対感情に、イゴーロナクが呼応してしまい、憑りつかれてしまうのです。
結構端折りましたが、そう説明されれば、「なるほどな。それであれば、イゴーロナクが憑いてしまうのも仕方ないか」と思いませんか?
※※※※ネタバレ終わり※※※※
これを防ぐためには、やはりきっちり納得のいく理由付けを考えなければなりません。
一部、ではなくなるべく背景に登場するPC全体に当てはまる理由付けを。
それができないのであれば、こういったシナリオには手を出さない方が無難かなと思います。
まとめ

大抵、背景を読んで「は~~~、なるほどな~」と思わず感嘆の声が漏れるほど、作り込まれているシナリオは面白いです。間違いなく。
なので、ここはきっちり詰めていきましょう。
PLの「どうして?」を取りこぼさないように。
そして、最初に大まかに詰めて、シナリオ本編と並行して追記していく形がベストです。
ただまあ、これは私のやりかたですので、合わない人は諦めて自分のやりかたを追求していってください!
また気が向いたら続き書いていきますので、もしよかったら続編も読んでってくださいね。
以上!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ほなね~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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