どうも、はぱをです。
少し前にこんなツイートをしました。
私が「この人GM上手いなあ」って感じるのは、シーンにマッチしたBGMが流せる、オシャレな部屋が作れる、NPCのRPが上手いとかじゃなくて、「PLのRPがグダるなって瞬間に上手いこと自然に締めて次のシーンに誘導できる」人だなあ。これができる人って実は少ないと思う。
— はぱを¦TRPGメインでブログ書いてる人 (@hapawoyade) February 5, 2021
TRPGをやっているとほとんどの人は、一度や二度じゃなく経験することになるでしょう。
そう、「RPがグダる」です。
これの処理をどうするかは、結構GMの腕にかかっています。
「でも、TRPGにおいて茶番は大事だし、グダっててもみんなで仲良く遊べればそれでいいじゃん」
うん。そう思ったあなたは、今すぐこの記事を閉じてください。
そして、これから先もグダグダセッションをし続けるといいでしょう。
そうでない方だけ、この先を読むようにしてください。
いいですね?
目次
どうして、GMがシーンを切る必要があるのか

茶番がダメとは言いません。伸び伸びとRPをすることがダメとは言いません。
ただ、基本的にセッションの時間は限りがあります。
GMはなるべく、その時間内に収めるように進行します。
前半の方でRPが長引けば、後半のシーンを無理矢理切らなければいけなくなります。
どうでもいい雑談やRPのせいでクライマックスの最もいいシーンで好きなようにRPができない、そんなセッションがしたいのならば、止めはしませんが。
「じゃあ、クライマックスシーンだけ別日程でまたとればいいじゃん」
確かにその通りです。
ですが、卓のメンバーの日程が一カ月後しか取れなかったら?
セッションには消費期限はないけれど、賞味期限はあります。
よほど面白い、人生を変えるようなセッションでもない限り、間が開いてしまうことで少なからず味が落ちます。不味くなります。
いずれにせよ、そのセッションをより楽しいものにしたいのであれば、GMがシーンを切っていくしかないのです。
GMがシーンを切り上げて進行すべき状況5選

しかし、かく言う私も昔は、PLに心ゆくまでRPしてもらったほうがいいと思っていました。
そのほうがPL想いのGMであると、そう思っていたんです。
しかし、それは違います。断言しましょう。
GMは適度なところで、自然に、RPを切り上げて次のシーンに誘導したほうがいいのです。
それが上手くできれば、シーンをPL任せにするよりも、逆に伸び伸びRPできたという印象すら与えることができます。
間違いありません。
さて、それではどういう状況で切り上げれば、上手くいくのでしょうか?
今回は私が思う「GMがシーンを切り上げて進行すべき状況」を5つご紹介したいと思います。
下に行けば行くほど難易度は上がりますのでご注意ください!
次の方針が決定したら切り上げる
「いや当たり前やん!」と思うかもしれませんが、このタイミングを逃しているGMの方、結構いらっしゃいます。
PL1:「こっちの扉から見て行こうぜ!」
PL2:「わかった、じゃあ一緒に行くよ」って言いますね。
GM:・・・・・・
PL1:って感じで、じゃあ、こっちの扉開けます!
GM:あ、はい、じゃあ扉を開けるとですね~
以下略
っていう状況、身に覚えがありませんか?
他にもこういう状況とか。
PL1:「絶対に、お前のことを許さない!」
PL2:「許さない……?だったら、どうするつもりだ?」
PL1:「お前を殺してやる!」って言って、剣を抜きます。
GM:・・・・・・
PL2:じゃあ、こっちも剣抜いちゃおッカナ???
GM:はい、じゃあ戦闘シーンになります。
以下略
まあ、別に悪くはないんですけどね、ワンテンポ遅いんですよ。
上記は極端な例ですが、割とあるんです。
このようにGMが切り上げるタイミングを逃すと、PLは「えっと…?これでいいのかな?」と不安になってしまいます。
PLにとってそれはストレスです。
対処法としては、あらかじめ「話がまとまったら切り上げよう」「好戦的な姿勢を見せたら戦闘シーンに移ろう」とシーンのオチを自分のなかで決めておいた上で、PLの話をよく聞くことだと思います。
PL全員が黙ったら切り上げる
まず具体例から見ていきましょう。
PL1:「協力してくれるのか?」
PL2:「当たり前だろ!俺たちもう友達じゃん!」
PL1:「PC2……、ありがとう……」
PL2:・・・・・・(タメのあとに何か台詞が続くのかと思って待っている)
PL1:・・・・・・(何か返しがあるのかと思って待っている)
GM:・・・・・・(切るタイミングを伺っている)
PL2:「そんな改まって言うなよ、照れるだろ」
以下略
こんな感じで、沈黙の後に惰性でRPが続いちゃうことってないですか?
特にオンラインセッションの場合、タイミングを見計らったりして、間が生まれてしまうこともあり、GM側も切り上げていい沈黙なのか、そうじゃないのかを見極めるのが難しいんですよね。
わかります。
まあ、私はこういう沈黙は問答無用で切るんですけどね。
ただし、一応自分の中でルールはあって、3秒以上沈黙がある場合だけです。
そしてその場合、以下のようにして切るといいでしょう。
PL1:「協力してくれるのか?」
PL2:「当たり前だろ!俺たちもう友達じゃん!」
PL1:「PC2……、ありがとう……」
GM:・・・・・・(3秒経ったな)
GM:では、あなたたちはそのように互いの意志を確かめ合う。二人の間には、いつの間にか強固な絆のようなものが芽生えていた。次のシーンに移ってもよろしいですか?
PL1/2:大丈夫です!
GM:はい、じゃあ、こうしてあなたたちは●●へ向かうことになります。
以下略
このときのポイントは3つです。
- その沈黙の空気感を描写する
- シーンを切っても大丈夫かを一応PLに確認する
- シーンが続く可能性も視野にいれた描写を心掛ける
このポイントさえ押さえておけば、「まだRPの途中だったのに無理やり切られた」という事態にはなりませんし、自然な流れで沈黙を処理することができるでしょう。
2回話題が変わったら切り上げる
これ、茶番のときに割とありがちなんですが、話題が二転三転してもなお続いてる……みたいなときないですか?
PLのテンションが落ちていったら切るGMの方もいらっしゃるかなと思うんですけど、PLが楽しそうに話していたら切り上げられない~~~~!!って感じる方も多いのかなと思います。
私からしてみれば、PLのテンションが下がった後に切るのは遅すぎます。
もうすでに手遅れです。
なので、PLのテンションが高いうちにサクッと切り上げちゃいましょう。
具体的に言えば、話題①→話題②→話題③で切ったほうがいいと思います。
経験則的に話題④以降、PLの誰かは惰性で話に付き合ってくれていることが多く、それ以上の盛り上がりを見せないことがほとんどです。
「でも、そんな急に無理矢理切ったら、不満に思うPLもいるんじゃない?」
わかります、わかります。
そんなあなたにこの場面を切り上げる魔法を授けましょう。
それはずばり、「では、あなたたちがそのように話していると」+「時間経過による変化」+「疑問形」です。
- では、そのように話しつつ、あなたたちはどこへ向かいますか?
- では、あなたたちがそのように話していると……、突然ですがここで<技能>を振ってもらってもいいですか?
- では、あなたたちがそのように話していれば、急いだ様子で〇〇が飛び込んできます。話を聞きますか?
- では、あなたたちがそのように話しながら、ふと時計に目をやると、もう〇時になっていることに気づきます。どうしますか?
このように使ってください。
「では、あなたたちがそのように話していると」+「時間経過による変化」によって、シーンを切ったのではなくて、シーンが続きつつ状況が変化したことを表すことができます。
ですが、一番のポイントは「疑問形」でしょう。
疑問形で投げかけることで、選択をPLに委ねることになります。
そのためPLに納得感を持たせ、比較的、無理矢理感を軽減することができるのです。
堂々巡りになってきたら切り上げる
これは特に重たいシーンでよく見かけます。
お互いに譲れないものがあって、決着がつかなかったりとか……そういう感じですね。
具体例を出しましょう。
PL1:「僕には無理だ……」
PL2:「じゃあ、どうするの?」
PL1:「僕を置いていって。どうせ、生きて帰れないよ」
PL2:「どうしてそんなこと言うの?折角みんなでここまで来たんだから、一緒に行きましょう」
PL1:「いや…」
以下略
こういう状況って、実はPLの力だけで進展させるのは難しかったりします。
本来はPLたちでなんとかするのがいいっちゃいいんでしょうけど、お互いがお互いの様子見をしているうちにぐるぐる堂々巡りになっちゃうことってどうしてもあるんですよ。
では、その場合、どうすればいいのでしょうか?
NPCがいれば一番楽ですね。
PL1:「僕には無理だ……」
PL2:「じゃあ、どうするの?」
PL1:「僕を置いていって。どうせ、生きて帰れないよ」
PL2:「どうしてそんなこと言うの?折角みんなでここまで来たんだから、一緒に行きましょう」
PL1:「いや…」
GM:では、突然、NPC1はPC1の頬をひっぱたきます。「お前がそこで諦めたら!あいつらの努力が全部無駄になるだろ!お前が嫌だって言っても、絶対に連れていく。」そう言って、無理矢理立ち上がらせます。そして「PC2……、こいつ担いでいくから。こいつと俺の荷物、持ってくれるか?」とPC2の方に視線をやりますね。
以下略
みたいにNPCに憎まれ役を背負わせたりして、状況を無理矢理切って繋げてあげるのがいいと思います。
では、もしNPCがいない場合はどうすればいいのでしょうか。
PL1:「僕には無理だ……」
PL2:「じゃあ、どうするの?」
PL1:「僕を置いていって。どうせ、生きて帰れないよ」
PL2:「どうしてそんなこと言うの?折角みんなでここまで来たんだから、一緒に行きましょう」
PL1:「いや…」
GM:確かに、ここまで来ることができたのが奇跡だとすら思えるような道のりだった。つらく険しい戦いを抜けてきた。だからこそ、あとほんの一歩が、こんなにも重い。それはPC2も同じでしょう。だからこそ、彼の進みたくないという気持ちも理解できるはずです。それでも、ここに彼をおいていくわけにはいかない。では、あなたはどのように彼に対してアプローチしますか?
PL2:
GM:PC1、あなたはひとりではありません。あなたひとりであれば、確かにここから先に行くのは危険だとそう判断して然るべきだと思います。ですが、それは今までも同じです。ここまで来れたのは、彼女がいたから。違いますか?では彼女のその言葉を受けて、あなたはどのように感じたのでしょう。RPをどうぞ。
以下略
私だったら、こうします。
なるべく描写で雰囲気を向かうべき方向へと持っていくんです。
登場人物たちの葛藤や対立は大切です。そういうシーンはエモくて、盛り上がりますしね。
ですが、やりすぎは禁物です。刺激が強いだけに、くどすぎてしまうので。
だから、やりとりが堂々巡りになってきたな~と感じたら、GMからテコ入れしてシーンを進めてあげるのがいいでしょう。
RPが決まった瞬間にあえて切り上げる
これはシンプルに、まじで瞬発力勝負です。
し、見極めが命です。
例を出しましょう。
PL1:「おかしなこと言ってもいい?僕と結婚してくれ」
PL2:「もっとおかしなこと言ってもいい?もちろん!」
PL1:「本当に?ああ!とっても嬉しいよ!」
PL2:「ふふふ、私もよ」
……キャッキャウフフ……20分後、
PL1:「じゃあ、そろそろ行こうか」
PL2:「そうね」
GM:今、あなたたちの心は何物にも代えがたい幸福感によって満たされている。こうして、ふたりの物語は幕を閉じるのだった。
以下略
どうですか?
悪くはないけど、若干の蛇足だな~~感があります。
まあ、切るならここでしょうね。
PL1:「おかしなこと言ってもいい?僕と結婚してくれ」
PL2:「もっとおかしなこと言ってもいい?もちろん!」
GM:今、あなたたちの心は何物にも代えがたい幸福感によって満たされている。こうして、ふたりの物語は幕を閉じるのだった。
以下略
これの難しいところは、様子見しているとタイミングを逃してしまうところです。
なので、シーンを叩き切る勇気を持ちましょう。
カチっとハマったら、即切り上げるぞという気持ちを常に持ちながらシーンを観察してください。
切り上げどきは、一番シーンが熱くなった次のRPの後ですよ!
まとめ

というわけで、今回は、私が個人的に思ってる「シーンを切り上げるタイミング」とまた、その際の切り上げ方をご紹介しました。
GMが助け船を出してくれるとありがたいなと感じるPLさんは結構いると思います。
なので、不自由なんじゃないかとか思わずに、結構ガツガツ介入してもいいんじゃないでしょうか。PLのRPを阻害しない程度に。
また、これはGMだけでなく、PLをされる方も念のため意識しておくと卓がスムーズに進むんじゃないかなと思います。
まあ、こういうのされるの嫌ですという人もいるでしょうけど。
それはそれで、個性!
あなたはあなたで、ちょうどいいシーン切り上げポイントを探してみるのはいかがでしょうか?
もし、めっちゃいい切り上げポイントが見つかったらこっそり教えてください!
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